同じロードバイクでも構造の違うものが8種類あるので詳しく紹介
ツール・ド・フランスなどのロードレースで使用されるロードレーサーを基本として、ロードバイクのバリエーションには長距離ライディングに対応させたランドナー、特定の種目に特化したトライアスロン、タイムトライアル、トラックレーサー、シクロクロスなどが挙げられます。さらに、目的をレースから実用へと変えたフラットロード、コンフォートも合わせて、その違いを解説していきます。
まずは、ロードバイク全般に共通した特徴から代表的なものを紹介しましょう。車体には競技のために必要な最低限の道具のみを積み、パーツに効率的な構造や軽量かつ剛性に優れる素材を使用することで、極限まで軽量化が図られています。
スーパーマーケットに停めてあるような一般的なシティサイクルと比べると、感動的なまでの軽量さです。また、段差がほとんど現れないロードレースでは耐久性よりも速さが優先されるため、転がり抵抗の低い、極めて細いタイヤが使用されます。現在のタイヤ幅は23mm前後が標準です。フレーム形状は三角形を2つ合わせた菱形のダイヤモンドフレームが一般的となります。
ダイヤモンドフレームは単純さと機能性を両方持ち合わせた非常に合理的な形状で、見た目の美しさも兼ね備えています。国際自転車競技連合(UCI)は、現在ロードレースでのダイヤモンドフレーム以外の使用を認めていません。正にロードバイク最大の特徴であり、アイデンティティも言えるでしょう。
ロードバイクの種類
ロードレーサー上り、下り、激しいアタックなど、レース中あらゆる曲面が想定されるロードレースでは、ポジション自由度の高いドロップハンドルが一般的です。 また軽量化のため、泥よけ、ライト、スタンド等、スピードに関係のないものはことごとく取り外され、現在ではほとんどのものが、10kgを切る軽量な重量で生産されています。タイヤ径は現在700c (約700mm=27~28インチ)が主流、ブレーキには、繊細なスピードコントロールに対応するため、ベーシックなキャリパーブレーキが採用されています. ペダルは、360のペダリングが可能なビンディングペダルを使用するのが一般的です、今もなお、速さと乗り易さを向上させるため、新素材や、工ルゴノミクステザイン(人間工学に基づいた構造)の開発が日夜進められている超高性能自転車です。
トライアスロン
トライアスロンでは、ドラフティング(他選手の後方に着き空気抵抗を減らす技術)が基本的に禁止とされるので、通常より空気抵抗の軽減を意識した構造を持ちます。 ハンドルにはスコットDHパーと呼ばれるものが採用されます、肩をすぼめて腕を水平に保ち、肘はアームレストに載せることで、背中がほぼ水平となる空力姿勢を保つことができます、トライアスロンでは、平坦な道を真っ直ぐ走るためにポジションの自由度はあまり重視されていません. フレームも断面が扁平となるエアロチューブを採用することが多く、空気抵抗に備えています、シート角度はロードレーサーよりも起き気味になり、タイヤ径はやや小さい650cが主流、ダイヤモンドフレームが義務付けられていないトライアスロンでは、 革新的な形状のフレームがしばしば見られるようです。
タイムトライアル
タイムトライアルは、ロードレースのような駆け引きがなく、 単純にスピードのみが求められる競技のため、トライアスロンと同様に空気抵抗の軽減が要求されます タイムトライアルハンドルと呼ばれるハンドルバーは、真横から前方に伸びるペースパーの間にアームレストと突き出したグリップ部が付き、前傾姿勢を保ちます、シートアングルはロードレーサーの75'~7 8'に対し、74~75と若干起き上がり、前傾姿勢を助けます。
トラックピストレーサー
トラック競技用の自転車にはブレーキがありません(従ってそのまま公道は走れません)、 イレギュラーな要素の少ない人工の競技場では、車体を頻繁に制動する必要がないのです、フリーハブが付かず、ペダルと車輪の動きが連動するため、止まるときはペダルに抵抗を与えて、徐々にスピードを下げる方法をとります、また、固定スプロケットのためギアチェンジは行ないません、その分変速機がなくなり、チェーンも短いため、車両の軽量化につながります。
ハンドルはディープドロップハンドルで、基本的に下ハンドルのみを使用します 最も原始的な構造の自転車と言えるでしょう。
シクロクロス
シクロクロスは、ロードレーサーによって行なわれたオフロードレースが元になっているため、ロードレーサーにMTBの要素を混ぜたような構造を持ちます、タイヤは700c、幅28~34mmが標準. 泥詰まりを防ぐため力ンチブレーキを採用し、リムとの隙間を広く設定しています。 ただし.UClではシクロクロスのタイヤ幅は35mm以下、ディスクブレーキの禁止を定めています、競技の最中、選手が車体を担いで走ることがあるため、 より車体の軽量化が求められます、また、担ぎ易いようにワイヤーがトップチューブの上側を通されているのも特徴のひとつです。
ランドナー
元はフランスのランドネという自転車スポーツに使用された、長距離ライディング向けの疑問を持つ自転車がランドナーです。
雨や夜間でも乗れるように泥よけやライトが付き、 寝袋やテントを積むために車輪の横にはパニアと呼ばれる旅行パッグが搭載されます。ホイールベースは長めの設定で、ハンドル位置も高く、ライディングの快適性を優先. タイヤは650c 、幅32~44mmと、小さく太くすることで. イレギュラーな路面や荷重に対応していますまた、輸行を容易にする目的や、修理を自分で行なう必要があることから、簡単に車体を分解できる構造をとっています。
フラットロード
走行性能のよいロードバイクに、気軽に使えるフラットバーハンドルが取り付けられた自転車のスタイルです、日本でも、メッセンジャーに使われたことで認知度が上がり、人気が出ました、通勤の足として、コミユーターという名前でも親しまれています。
同じフラットパーで、クロスバイクと呼ばれる自転車がありますが、こちらは街乗り用に作られたロードバイクで、 タイヤやブレーキなどに積極的にMTBの要素が組み込まれています、ただし、どちらも競技用の自転車ではなく、明確な定義はないので、人それぞれの認識によるものが大きいと言えるでしょう。
コンフォート
高い走行性能を持つロードバイク人気の高まりを背景に、街中やツーリングでも気軽に乗れるコンフォートというタイプの自転車が作り出されました、ペダリングの力を吸収するため、 本来ロードバイクには使われないサスペンションも、段差のある道に対応するために多用されます、 サドルもクッション入りで快適なものを採用、泥よけやライトもほとんどに取り付けられます。ホイールベースも長めの設計のため、ランナーに構造が近く、長距離走行にも向いていると言えます、今ではフレームの形状などにも変化が見られ、 独自の進化を遂げているジャンルの自転車です。
ロードバイクのフレーム
フレーム形状トップチューブが傾斜しているスロービングフレームはまたぎやすく実用的。一方、水平なスロービングフレームは見た目が美しい。
スロービングフレーム
アルミやカーボン素材はほとんどこのタイプ。トップチューブが傾斜しているので小柄な人でもまたぎやすくサイズも豊富。またチューブが短くなる分、軽量化にもひと役買っている
ホリゾンタルフレーム
クロモリフレームに多く見られるタイプ。洗練された見た目が人気だが、水平を保つためにはトップチューブにある程度の長さが必要になるため、大きめのサイズに限られる
フレーム素材
走りの質を決める大きな要素。レースを視野に入れているのならカーボンかアルミ、マイベースに走るのならクロモリもおすすめ。
クロモリ
ひと昔前はほとんどがこの素材だったが、現在は少数派。若干重いが丈夫で優しい乗り味なのでロングライド向き。趣味性が高く値段はピンキリ
カーボン
軽さと剛性のバランスが高く主流となっている素材。2013年の最安値は15万円台だが、平均すると20万円前後と高額
アルミ
レースを視野に入れている人におすすめの素材。
剛性が高いのでパワーロスはないが、人によっては硬すぎるかも。15万円出せば高級アルミが手に入るだろう
ロードバイクの特徴
特徴長距離を快適に走ることがロードバイクの目的。ここで挙げられている特徴は、すべてその目的のために意図されたもの。
前傾ホジション
脚だけではなく全身を使ってベダリングできることや、風の抵抗を減らすことなど、前傾姿勢は長距離走るうえで理にかなったポジションといえる
細いタイヤ
タイヤ幅は細いほど路面抵抗が減るので巡航性能が上がるが、段差への対応や空気圧調整がシビアになるという側面もある
ドロップハンドル
握る位置を変えて3つの乗車姿勢を取ることができるドロップハンドル。これによりカラダヘの負担を分散させることができる
コンポーネント
世界のコンポはほぼこの3社が占めている。主流は日本製のシマノで、次いで名門カンパニョーロに、MTB界から参入したスラムが続く。
シマノ
自転車の部品にコンポーネントという概念を持ち込み、技術力と質の高さで世界のトップのシェアを誇る
カンパニョーロ
ロードバイクの世界の王道を歩んできた。イタリアのブランドらしいデザインで人気だが、価格も高い
スラム
レースで活躍し、一気にシェアを伸ばした。荒削りながらもアイディアに富んだアイテムを次々に投入する
ギア比
自転車の変速機の歯車の組み合わせは、用途と熟練度に応じてある程度自由に変更可能。はじめのうちはワイドレシオがおすすめだ。
クロスレシオ
ギアどうしの歯数の差が少ない。こま目に変速をして回転数を一定にキープ、無駄を極力減らしたい上級者向き。起伏の少ないコース向き
ワイドレシオ
ギア比の広いセッティングは平地から峠道まで、バリエーションの多い道を走る人向き。初心者にもおすすめのセッティングだ
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