自転車で道路や歩道を走るときはクルマや歩行者にも注意
どこへ行くにも市街地を通らなければどこにも行くことはできません。市街地の一般道ではクルマに注意し、歩道では歩行者にも気をつけねばならないというとても気を使うのが自転車かもしれません。
自転車は被害者にも加害者にもなることがあります。暴走する軽快車に接触すると、ひ弱なスポーツバイクに勝ち目はありません。
自転車は道路の左側にある路側带(道路の端寄りに白線で区画された部分)を通行するのが原則ですが、路側带がない道路もたくさんあります。
路側帯には、自動車が落としていったガラスの破片や釘などの危険物が落ちているので注意する必要があります。通行が困難なら歩道に避難するのもやむをえないことですが、段差があると横転するので気をつけましょう。
段差での転倒は誰でも一度は経験するけれど、最悪の場合はパンクする(リム打ちパンク)こともありあます。タイヤの空気圧が低いとパンクしやすいので、走る前に必ず空気を入れる習慣が必要です。
また、斜めに段差を横切ると、滑って転倒する危険があるので注意です。段差に直角に乗り入れるか、格好が悪くても一度停まって車体を持ち上げるほうが確実に安心なのです。
路側帯に自動車が停まっているときは、後方に注意し、停車している自動車の右側を通行するようにしましょう。後ろから自動車がくるときは、ハンドサインで合図するか、停車してやり過ごすことです。後ろを確認するため、走りながら振り返るとバランスを崩しやすいです。
道路を走るときのテクニックを紹介
信号待ち街中でもっとも多いシチュエーンョンといえは信号待ち。そんなとき、シート高の高いスポーツ自転車にまたがったまま、片足立ちで待っていませんか? これはナンセンスです。できれはシートからお尻を前に出して降り、フレーム(トップチューブ)の上に腰かけましょう。リラックスできますよ。
また、上級ワザには静止した状態でバランスを取る、スタンディンクもあります。これが長時間できると、みんなに自慢できます。
ハンドサイン
ハンドサイン(手信号)は安全のためのテクニック
基本的なカタチは、右手を水平に伸はすと右折、ヒジから腕を垂直に伸はすと左折です。ちなみに、サイクリストの中には左折時に左手を伸はして行う人もいますが、それも大丈夫。周囲に対してわかりやすければいいのです。毎度毎度やっていなくても、交通の速度域の高い道路や、集団で走ったりする時に、こういうのを照れずにビンッと決められると、オトコ前な株が上がるってもんです。
路面に注意
お次は主に後続車両に対するハンドサインをご紹介。前を走る自転車の真後ろにつくと、意外と自分の視界が狭いことに気づくはず。前の自転車が進路変更したら、目の前に地面の凸凹が…、とはよくある話で、こんなトラフルを避けるためにも、前車は指差しサインを送りましょう。
もう一つの大切な合図は、減速&止まれ。右手を斜め下に伸はした状態がそうです(なかには腕を背中に回す人も)。追突は大事故になりやすいので複数人で走るときはとくに気をつけましょう。
とめ方
スポーツ自転車にサイドスタンドを付ける人は少数派。その理由は、付いていないほうがカッコよく見えるから、と単純明快です。では、駐車するときに、サイクリストはどうしているのかといえは、ちゃんとコツがあります。まず、覚えておきたいのは3点支持。
壁際に止めるときに、ハンドル、サドル、タイヤを同時に接触するようにします。こうすると安定感が高まりますよ。前後にも動きにくいので、車体にキズもつきません。
鍵のかけかた
スポーツ自転車は高価なモノ。その価値を知っている人からすれば、鍵をせずに放置してある車両は格好の獲物です。出先でお店に入るとき、コンビニに寄る時でも、鍵をかけるクセをつけましょう。
さて、ロックのかけ方ですが、これは長さによって2つのパターンがあります。ワイヤーが短めのタイプは柵と一緒にフレーム、長いタイプはホイールも通して施錠します。自転車の2つの部分を通すことで、「錠をかけているぞ」とアピールカを高めます。
ロックの仕方は、前後輪とフレームを柵と一緒に施錠するやり方もあります。
スポーツ自転車は、タイヤの着脱がワンタンチでできるクインクレリース方式を採用しているため、こちらのほうが盗難に対する安全度は高い。デメリットはロックのワイヤーが長いため、そのぶん重量増になること。とはいえ、街乗りでは長い距離を走ることは少ないので、面倒がらずに持ち歩こう。ロックのタイプによっては自転車に固定できるものもある。
自転車レーンが全国に広がっていく
2008年6月の道路交通法改正をきっかけに徐々にではあるが浸透してきている。そこで問題になってきたのがインフラ。自転車が安全に走れる環境作りだ。それというのも、道路交通法で定められている自転車の走行場所「道路の左側端」は、お世辞にも安全な場所とは言えないところが多いからだ。
これまでにも自転車道を整備するという取り組みは行われつつあったが、結局大した改良は行われず、お茶を濁した程度で終わってしまうことが多かった。
しかし、自転車の対歩行者事故の増加や、地球環境問題も後押しして、再び全国で自転車レーンを整備しようという動きが高まってきている。
2008年1月、国土交通省は全国に自転車通行環境整備のモデル地区を98箇所、指定した。これも、自転車が安全に走るためのインフラ整備が全国的に行われはじめたことを示している。
自転車通行環境整備モデル地区の1つ、江東区亀戸駅周辺の国道14号線を訪れてみた。
亀戸の自転車レーンは、道上にあった自転車レーンを車道の左端に移し、車道と自転車道との境界に柵を設けるという、歩行者、自転車、自動車が完全に分離した理想的な環境だと言える。
現在整備されているのは、亀戸駅周辺の交差点の前後で合わせて約400m。それに加えて、2008年度中に計1.2kmを自転車レーンとして確保する予定だ。
同様に世田谷区では道路の左側端を青くペイントした自転車レーンを採用。しかし、路上駐車車両にレーン部分を占拠されてしまったり、レーンが違法駐輪場と化してしまう可能性も否定できないと、課題は残されている。
さて、今回の本格的な自転車レーンの整備、取り組みが早かったのは石川県の金沢市だ。
金沢では2007年3月から市内の約1kmの区間でバス専用レーン内に自転車レーン(自転車指導強化帯)を設置する実験を行った。レーンを着色(世田谷区と同様の考え方)したうえ、自転車の左側端走行や並進の禁止などの指導が行われた。
実験の結果、事故の減少、自転車・自動車双方の意識向上など、レーンは有用だと判断され2007年9月で実験を終了。10月より永続的に実施されることになった。
このような取り組みが評価されてこその、今回の全国的な取り組み。モデル地区が役目を終え、全国の道路に安全な自転車道ができる日が待ち遠しい。
注意点のまとめ
知っておきたい道路交通法
意外と知らない人も多いが道路交通法には自転車(軽車両)に関するルールがあり、違反した場合はもちろん罰則もある。ここで紹介した以外にも一時停止や車道の左側を通行する義務などがある。
日没後のライトはマスト
日没後の無灯火走行は、クルマにとって脅威。自分からはクルマが見えていてもクルマからは見えにくいもの。リアに赤いライトか反射板を装着するのも自転車の義務。(5万円以下の罰金)
また、酒気帯び運転の禁止という項目がある。
スピードが出やすいロードバイクに乗るからには、ルールを認識するのはもちろんのこと、自転車のマナーを意識して大人なロードバイク乗りを目指そう。
2人以上で並んで走らない
歩道であろうと車道であろうと横に2台以上並んで走行する「並走」は禁止。ツーリングなどで仲間がいるとついやってしまいがちだが危険。もちろん2人乗りも×。(2万円以下の罰金)
逆走はキケンです
なぜか自転車になると無意識にやってしまう右側走行。車道の左側を走るのが基本で逆走はもってのほか。やむをえない場合はパイクを降りて歩道を通行。(懲役3ケ月以下または5万円以下の罰金)
携帯電話や傘さし運転不可
傘をさして片手で運転したり、携帯電話を利用しながらの走行は危険行為とみなされ罰則の対象に。
とくに携帯電話は会話に意識を集中してしまうため注意が散漫に。(5万円以下の罰金)
ハンドサインを利用しよう
ロードバイクを含めた自転車には、 サインが必要。複数の人と走るツーリングなどの場合クルマやオートバイにあるウインカーやブレーキランプはついていない。そうなると急なアクションを起こすと危険なため、左右に曲がるときや停車する ので、自分の後ろの人に次の行動を示ことを周囲に伝えるためのサインとしても使われる。
ハンドサインは曲がるときや追い越すときに、手で示す合図です。だが、サイクリングジャージを着た自転車乗りのあいだで通じても、それほど知られていないのが現状です。ハンドサインはちゃんと道路交通法に規定があります。
道路交通法には、自動車と自転車の運転者は、「左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図」しなければならないと第五三条にうたわれています。政令で定める合図(ハンドサイン)は次の通りです。
左折、左への進路変更左腕を水平に伸ばす、または右腕の肘を垂直に上に曲げる
右折、右への進路変更右腕を水平に伸ばす、または左腕の肘を垂直に上に曲げる
徐行、停止腕を斜め下に伸ばす
右に曲がります
右手を水平に伸ばして人差し指を出す。交差点では原付自転車と同じように二段階右折が基本なので交差点手前で右折のサインを出し、交差点内へ進んで右に方向転換し、信号を待つ。
左に曲がります
左手を水平に伸ばす。右腕を使う場合は、右腕をL字に曲げて手先を上に向ける方法もあるが、左手を使うほうがクルマの人にも伝わりやすい。サインだけでなく後方確認も忘れずに。
落下物などあり
ツーリンクなど集団走行でよく使うサインで、道路上に落下物などがある場合に使用し、後方の人が避けて通れるように配慮する。落下物のある箇所を指差し、その場所を避けて通る。
止まります
右手を腰のあたりに持ってきて後ろに手のひらを見せる。あるいは右手を右下に伸ばして制止するような仕草も使われる。クルマなど相手に伝わるようにアイコンタクトを送るのも大切だ。
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