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自転車乗りならロードバイクのタイヤ周辺のことを理解しておこう

どのような使い方をするのかタイヤ選びはそこから始まる
タイヤの種類は、大きく分けて、ロードバイクなどに使われる溝のないスムーズ系のタイヤと、マウンテンバイクに多く使われるブロックパターンを持つタイヤ、シティバイクなどに使われるこれらの中間的存在のオールラウンド系タイヤの3種類に分けることができる。それぞれの基本的な性格を知ることで、自分が求める性能を持つタイヤを選ぶことができるはずだ。

お店で見比べてみれば一目瞭然だが、概ねスムーズ系のタイヤは細く、ブロックタイヤは太いものが多い。細いスムーズ系タイヤは、接地面積が少なく、路面抵抗も低い。なので速く走ることができる。しかし、チューブ内の空気量が少なく、振動や段差のショックを吸収する量が少ない。場合によってはリム打ちパンクなども起こしやすい。

また、接地面が少ないため、雨などで路面のμが低くなったとき、グリップカが著しく低下することもあり、その面でもデリケートな扱いを求められる。それに対して、太いブロックタイヤは、空気量が多く、振動や衝撃の吸収に優れている。しかし、接地面積が多いので路面抵抗が大きくなり、速く走るためにはより大きな力が必要となる。それでも、路面状況に影響されにくい安定感がある。

これらを把握しておけば、普段の通勤には太めで、サイクリングロードなどの整備された場所を長距離走るときなどには細めのタイヤに履き替えるなど、楽しみ方が広がるはずだ。


トレッドパターンの違い
ツメを引っかけるのか面でとらえるのかの遣い
トレッドパターンの違いは、路面に対してどうコンタクトするかの違いとなる。ブロックタイヤは、路面に対してツメを立ててクリップするイメージ。またスムーズ系のタイヤは、指の腹の部分でつかんでいくイメージで考えるとわかりやすい。

凹凸のある路面に対しては『ツメ』を立て、ポイントでアプローチした方がクリップしやすく、フラットな路面に対しては、『指の腹」全体でコンタクトした方がグリップがよくなるのだ。オールラウンド系のタイヤは、そのどちらの特性も適度にバランスさせているモノが多い。この違いを基本とすれば、タイヤの種類を選びやすいと思う。
また、走っている途中で雨が降ってきたときなど、路面のμが低くなった状態では、スリックタイヤより溝が切ってあるタイヤの方が、クリップ力は高くなる。


コンバウンドの遣いは
コンバウンドの違いで、タイヤの性能がかわってくるということがわかりやすいのが、パナレーサー・ミニッツシリーズだ。ミニッツ・ライトには、より速く走るために高いクリップカと、転がり抵抗の少なさを両立したコンバウンドを、ミニッツ・タフには耐久性を重視した耐摩耗性の高いコンバウンドを採用している。

つまり、トレッドパターンやサイズの違いではなく、コンバウンドの違いによって、タイヤの性格付けがおこなわれているタイヤなのだ。『走行性能」か『コストパフォーマンス』か自分がタイヤに求める性能がどちらか、これによって選ぶことができるのだ。


保管と管理
劣化を遅らせるポイントは日光と空気に触れさせない
タイヤはゴムと繊維でできている。
なまものであって、鮮度は常に劣化していくものだ。走っていればゴムがすり減り、本来の性能を出せなくなってしまう。

一般にタイヤの寿命は、ゴムがすり減ったときや、ゴムが劣化したときとなる。これは、それぞれの乗り方や使い方で大きくかわってくるので、このぐらいの期間が経過したら替え時というのはいいにくい。しかも、乗らずに保管していても、日光や空気に触れているとどんどん劣化してしまう。
というわけで、保管は屋内がベスト。

乗らないときは、テンションがかからないくらいに空気を抜き、できるだけ日光の当たらないところに保管するのが長持ちさせるポイントだ。また、タイヤはできるだけ買い置きしないで必要なときに買いに行くようにしたい。スペアを保管する場合も、角の部分から痛んでくるので、たたまずにタイヤの形のまま、空気に触れないように袋に入れて保管する。


チューブにもこだわればより快適な乗り味を楽しめる
タイヤそのものにこだわるひとでも、チューブは見落としがちだ。しかし、チューブに空気を入れることで、初めてタイヤの性能を十分に引き出すことができるようになるのだから、チューブの性能にもこだわった方がよい。
そこで、チューブの性能とはどんなモノなのか?

ひと言でいえば、伸縮性の高さがポイントとなる。伸縮性高いモノの方が路面追従性も高くなるのが特徴。加えて、路面からの衝撃の吸収性も高くなり、乗り心地がよくなるのだ。伸縮性能は、チューブそのものを引っ張ってのばしてみれば確認できる。製品によって、伸び方が違うことが体感できるはずだ。

また、チューブもタイヤ同様ゴム製品なので、日々劣化することも忘れてはいけない。スペアチューブは定期的に点検し、ある程度時間が経ったモノは交換したい。特にツーリング前などにはしっかりと点検しておこう。


ロードバイクのタイヤ周辺について
ロードバイクについているタイヤは、普通「クリンチャー」と呼ばれているタイプのようだ。タイヤについては欧州各国、米国などでそれぞれ別個に開発されているようで、世界各国入り乱れて各種の表記が存在している。

サイズの表記は、仏国式であったり英国式であったり、マウンテンバイクが出てきたために米国の規格が入り込んだりしているので、インチやメートル、分数表記などで、全く統一感がない。

だいたい、空気圧についての表記も実に多種多様だ。現在、市場に出回っている一般的なロードバイクが履いているタイヤについて、頭に入れておけば間違いない、との思いで整理してみた。

先ず、タイヤの種類は「クリンチャー」と呼ばれるモノ。単語の意味するところは「釘を留める人、ボルトの締め付け工」とある。動詞でモノを締めつける意味があるので、何となく意味合いは理解できる。

で、何を締めつけるのかと言えば、中に入っているチューブかリムだろう。チューブとタイヤが別物で、タイヤの円周両端部(ビード)をホイールのリムの内側にはめ込んで(クリンチして)使用する、とのこと。他に何があるというのだ。調べれば、チューブラーとかチューブレスとかエアーレックスとかあるみたい。

リム形式としてはW/Oと呼ばれるモノらしい。W/Oとはワイヤードオンのことで「イギリス、フランス規格のもので、タイヤのビード部に鋼製、またはケブラー製のワイヤーがあり、これがリムにはまり込むことでリムにタイヤが保持される。

狭義には英国規格のものをW/Oと呼び、フランス規格のものはクリンチャーと言う場合もある。英国規格のものはインチの分数表記されることが多い。フランス規格はミリ表記とあり納得できる。日本では、仏国式のミリ表記が普通で、子供の頃の自転車のサイズ、25インチとか26インチとかは使われていない。バルブも仏国式で、専用の金口がついた空気入れを使っている。

ロードバイクのメンテナンスを紹介するどの本を見ても、パンク修理にかなりのページを割いている。まるで、メンテナンスの基本はパンク修理からだ、みたいな感じだが、あれは、全てリム形式W/Oの物を前提としている。

ということは素人さんが乗るロードバイクの殆どはこのタイプであるということだ。加えて、基本的にタイヤはパンクしないように思う。だって、路上でパンク修理してる人なんか見たことない。一応予備のチューブと工具はサドル・バッグの中に常に持ってるけど、使うチャンスは一度も来ていない。タイヤの寿命を過ぎて、摩耗しきってもしつこく使うとパンクしてくれるのかしら。

タイヤの路面に接する部分(トレッドと言うらしい)には、車のような溝がない。今履いている安物には申し訳程度にヤスリほどのボツボツがあるが、当初の物は完全に丸坊主だった。

タイヤの転がり抵抗については良く理解できない所があるが、滑らない材質でなければタイヤとしての性能がなくなっちゃう訳で、摩耗性との問題からその材質が決まるのだと思う。あんな細いタイヤに自動車のタイヤのように溝など切れるはずもなく、材質そのものに摩擦抵抗を持たせているのだと思う。天然だか合成だかのゴムが主たる原料のようだが、摩擦抵抗が大きければ摩耗性は低くなるような気がする。

ホイールは、タイヤが巻き付いているリム、中心のハブ、スポークで構成されている。
最近ではリム、ハブ、スポークを一体化してしまったコンポジットホイールなどもあるみたいだ。

後輪はハブの左右から出ているスポークの長さが微妙に違うのだ。なんだか微妙に凄いことになっているようで、知的好奇心をくすぐられるのだ。スポークには引っ張りのテンションがかかっているはずで、ハブから出ている全てのスポークがリムを均等に引っ張り、リムそれ自体は圧縮されている機構なはずだ。

スポークは当然のこととして圧縮力は負担していない。その代わりに、かなり強烈な力で引っ張っていないと、走行中の各種の応力や人の体重、自転車の車重などを負担できないだろうことは容易に推察できる。調べてみると、面白いことが色々判ってくる。

スポーク張力だけど、スポークには所定の初期張力を均等に与えることが重要なことは当たり前で、でないと、リムが振れることとなっちゃう。で、張力はスポーク張力計で測るらしいんだけど、実際にスポークをはじいて音の周波数で調べたりもするみたい。この辺が面白い。

実際に自分の自転車のスポークをはじいてみると、結構高い音がする。その初期張力は、500~1500Nということになってるらしいのでリンゴ500~1500個分の力、即ち51キロから153キロの力で引っ張っていないと持たないみたいね。随分と幅の広い値で、チョット適当な感じもするけど。

この値は、乗り手の体重と、自転車自体の重さ、加速度やカーブの時の応力、などに抗して一本ないしは数本のスポークで持つように設計されている、ということだ。建築の場合の安全率は6割増しの1.6だから、同じと考えて、266キログラムの1.6倍、425キログラムの加重を両方のペダルにかけても、スポークは破断しない、ということだ。一トンの半分近くの力をかけても自転車は壊れませんよ、と理解した。間違ってるかもしれないけど。
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