更新日:

スポーツバイクで自分の体型に合わせたセッティングを探す方法

自分に合ったセッティングたとえ同じ身長でも股下寸法も、肩幅も、腕の長さも、手の大きさも、柔軟性も同じ人なんているわけないですよね?
誰の体型も同じではない。たとえ同じ身長であっても、体重、股下、肩幅、腕の長さ、手の大きさ、足の大きさ……千差万別である。

それなのに、身長だけで選んだバイクを何年もそのままの状態で乗っていてよいわけがない。走るたびに感じるストレス、こり、痛み、登りのツラさ、下りの恐怖感などは大切なデータである。データを駆使したバイクセッティングによってひとつずつ解消していかなければ、オトナの趣味とはいえないではないか。

人の体型は千差万別だから自分専用のセッティングを探す方法
高校生の部活じゃあるまいし、「年間1万キロ乗れば速くなれますよ」って、そんなことはみんなわかっている。年間5千キロ以下しか乗れない愛すべき同志たちが速く走るためには、まず己を知らなければならない。

自分の身体的特徴を知ることで、バイクセッティングのポイントが見えてくる。そしてそのように何年も地道にデータ収集に励んできた者が作る2台目のバイクは、面白いように速く走れ、楽しく山を登れ、笑顔で下って帰ってこれるはずなのである。


はじめてスポーツバイクに乗ったときは、誰しも首、肩、腰、おマタの痛みを訴えるものである。それは乗り慣れないものに乗ったストレスや筋肉の緊張からきているので、時間が経過して慣れてくれば、自然と消滅していく痛みであるといえる。

しかし、バイクのサイズやセッティングに致命的な欠陥があると、いくら乗り込んでも痛みから解放されないということになってしまう。特に手、首、肩の痛みが消えない場合は、ハンドルポジションを疑ってみたほうがよい。ハンドルが遠い、あるいは低い位置にセットされていると、どうしても骨盤が倒れやすくなる。

すると、重心が前方に移動してきてしまい、ハンドルに対する荷重が大きくなってしまうので、上半身を支えるための骨格や筋肉に負担がかかってしまうのである。


私が考える理想のケイデンスは毎分100回転である。ミゲール・インドゥラインやアレックス・ツッレはパワーライダーといわれながらも、いつも平地では100回転をキープしていた。山岳でも相当である。でも平地100回転なら、正しいセッティングに裏打ちされたキレイなペダリングさえマスターすればそんなに難しくはない。

高いケイデンスで走れるということは、それだけ1回1回のペダリングの高いケイデンスを維持するためのセッティングの際に筋肉にかかる負担が小さいということである。もちろんそれだけのテクニックが必要だが、体力の衰えをテクニックでカバーするというのは、そもそも私たちの目指すところであったはずである。

高いケイデンスを維持するためには、体幹の筋肉を動員しなくてはならない。力まかせにふとももの筋肉を使ってケイデンスを上げたとしても、それを終日維持できなければ意味がない。100回転のまま帰ってきてこそ真のスポーツバイク乗りである。

セッティングによって体幹の筋肉を発動させる骨盤がきっちりと立ち、背中にくっきりと「ラクダのコブ」のようなカーブが現れたとき、腸腰筋を中心として、腹筋群、背筋、広背筋、大腿直筋、内転筋群、中腎筋といったいわゆる「体幹の筋肉」が連動して発動し、高性能人間エンジンの長時間の安定した駆動が約束される。

スポーツバイクに乗っているとき、ライダーはサドル、ハンドル、ペダルの3つの「ル」(ダンシングだけはハンドルとペダルの2点なのでハンドルのセッティングがデリケートになる)から逃れることはできない。ゆえにこの3つのセッティングが出ていれば、サドルにまたがった瞬間、いとも簡単に体幹の筋肉が発動した美しいフォームになることもある。

逆にセッティングが出ていなければ、何年、何十年走りつづけても何の進歩もなく、ぶざまなフォームのまましんどい思いをしなくてはならないということもあり得るのである。努力が必ずしも報われるとはかぎらないという事実は、いいオトナならばみんなが知っている。人生の折り返し点に近づいてきた、あるいはすでに折り返しちゃったのなら、正しい方向性の効率のよい努力をしなくてはいけないのである。私たちに残された時間と体力は決して多くはない。だからアタマを使うのだ!

この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!