ウォームアップとクールダウンをしないなら運動をしない方が良い
ウォームアップとクールダウンをまじめにやらないのなら、運動をしないほうがよほど身体によい。そもそも運動とは身体にとってはストレスであって、そのストレスに対抗するために機能が増強されるのである。これが、運動すると身体が強くなる原理である。ゆえにトレーニングの前には、これから身体が受けるであろうストレスに慣らしておく必要があるし、トレーニングが終わった後は、速やかにそのストレスを取り去る手助けをしなくてはならない。
そのために、トレーニングの前後に15分ずつのウォームアップとクールダウンをおこなう必要があるのである。仮に1時間のトレーニング時間しか取れない場合、ウォームアップとクールダウンに30分取られてしまえば、残り30分のトレーニングしかできなくなってしまうが、それでよいのである。いつまでも楽しく走っていたいのなら、ここは言うことを聞きなさい。
15分という時間の根拠は、交感神経と副交感神経が入れ替わる時間である。交感神経は、運動時の心臓や肺などの動きを活発にさせる「発散の自律神経」である。逆に副交感神経は安静時に消化や吸収をつかさどる「蓄積の自律神経」である。
運動をはじめると、交感神経が盛んになる一方で、副交感神経の働きはゆるやかになり、胃や腸など消化器系の内臓の動きも大人しくなる。これは、激しい運動の前に内臓がシートベルトを締めるようなものだが、手際のよいヤツもいれば悪いヤツもいる。すべての内臓がシートベルトを装着し終えるのが、15分後なのである。
逆にクールダウンは、内臓たちに気持ちよく運動後の回復作業に当たってもらうためにおこなうのだが、「どちらかと言えば、ウォームアップよりはクールダウンのほうが重要である」と考える。
この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!