運動によって必要な栄養が違うので不足はサプリで補おう
運動と組み合わせてサプリを摂る
「栄養補助食品」であるサプリメントは、それだけでカラダを完壁な健康体に変え、維持してくれるわけではない。あくまでも足りない部分をサポートするだけで、その役目は「名脇役」とでも言うべきものなのだ。
したがって、健康なカラダをつくるためには、ほかにもやらなければならないことがある。それは「運動」だ。
栄養バランスのとれた食事は、もちろん健康なカラダをつくるための重要な要素になる。しかし、それだけではまだまだ不十分なのである。食事によって摂りこまれた栄養分を身体中に運ぶのは血液。血液の流れをスムーズにするのは筋肉。つまり、ある程度の筋肉をつけなければ、せっかく摂り入れた栄養をカラダのすみずみまで行き渡らせる働きが十分ではないことになる。
ダイエットはもちろん、健康なカラダをつくるうえで、運動も絶対に欠かせない要素なのだ。
運動によるさまざまな効果
運動をすれば、筋肉が増強されるのは当然の結果である。筋肉は、栄養を運ぶ血液を、その収縮運動によってスムーズに流すポンプの役割を果たす。したがって、筋肉が増強されれば血流は良くなり、カロリーの消費効率が非常に良くなるというわけだ。さらに、有酸素運動を行うと毛細血管が増える。毛細血管が多くなれば、それだけカラダのすみずみにまで酸素や栄養が行き渡る。これもカロリーの消費効率が高くなる要因のひとつだ。
毛細血管の直径は、赤血球の大きさよりも小さい。ではなぜ、毛細血管の中を血液が循環するのだろうか。それも、筋肉のおかげだ。やはり筋肉が収縮することによって、毛細血管内の血液を動かしているのである。
筋力がアップすれば普段の生活が快適になるのはもちろん、体内にもよい結果がもたらされるのだ。
目的によって必要な運動を選択
前述の栄養コントロールに加えて必要な運動を行えば、その効果はいっそう高くなり、より丈夫なカラダがつくれる。
では、シチュエーションごとにどんなトレーニングが必要なのだろうか。
まず、「筋肉をつけたい」人は、前述の栄養摂取に加えて、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を行い、それに加えて、ウェイトトレーニングを行うとよい。ウェイトトレーニングは、特に筋肉をつけたい部位を念入りに行うとよいだろう。
「やせたい」人は、有酸素運動を多めに取り入れて、脂肪の燃焼効率を高めることが菫要だ。
また、どのシチュエーションにも共通して言えることとして、運動を行う際には水分を補給する必要がある。水がもっとも望ましいが、「肉をつけたい」という人は、スポーツ飲料などで水分補給を行うのもよいだろう。運動の際に水分を十分に補給することによって、栄養分がカラダのすみずみまで行き渡る助けになるし、脱水症状などを起こす心配もなくなる。
正しいサプリの摂り方
薬品と同様、サプリメントも食後に摂取するのが普通だ。服用の際には、水で飲むのがもっとも望ましい。ビタミンCは、錠剤よりも粉末の方が吸収が速いので、服用する人はなるべく粉末タイプを選ぶとよいだろう。サプリメントには、水溶性のものと脂溶性のものがある。水溶性のものは1日のうちで3~4回に分けて、脂溶性のものは1日ないし2日に1回服用するのが、消化、吸収の点から見て望ましいとされている。
一般的に有名なサプリメントのひとつにプロテインがあるが、このプロテインを服用するときには注意点がある。プロテインは摂りすぎると太るので、多量の摂取は避けた方がよい。体重1キログラムに対して、プロテイン1グラムを目安として摂取するとよいだろう。多量に摂ると肝臓にも負担がかかるので、必要以上の摂取は避けた方がよい。
さて、サプリメントの正しい摂取方法がわかったところで、サプリメントは、確かに便利な副食品である。自分に必要な栄養を知っているなら、それを選択して必要な量だけ摂取すればいいのだ。しかし、カン違いをしてはいけないのが、サプリメントを「主食」として考えてはいけないということである。
はっきり言ってしまえば、サプリメントだけで生きていくことはできない。それは、サプリメントで直接栄養素を体内に摂り入れると、体内で食物を消化し栄養素を合成したり、吸収したりする能力が低下するからだ。人が生きていくためには、一定量の食物を必ず摂取する必要があるのだ。
サプリメントは、主食ではなく、あくまでも「栄養補助食品」である。利用者は、そのことをしっかりと認識して、通常の食事に組み合わせて摂るということを忘れずにいよう。
人間に必要な栄養素 一覧
タンパク質(protein)
神経細胞筋細胞、骨細胞の形成と維持に役立つ。不足すると筋肉が破壊されてしまう。過剰に摂取すると肝臓と腎臓に負担をかけるので、定期量の摂取を心掛ける必要がある。
炭水化物(carbo)
筋肉細胞のエネルギーの元となる栄養素。プロテインを使用する際にエネルギーとして燃焼される。不足すると、プロテインの量が足りていても筋線維の不発育を起こす。
脂質(fat)
生命活動を維持するために必須な栄養分のひとつ。脂溶性のビタミンが効果を発揮するために必要。
ミネラル(minerals)
酵素やホルモンの生産細胞の形成と維持に絶対に不可欠な栄養素。
ビタミン(vitamins)
各ビタミンはそれぞれ、細胞の触媒として働いている。どのビタミンが不足しても細胞の機能が停止してしまい、死につながる可能性も高くなる。
ビタミンB1
炭水化物を分解してエネルギーに換える酵素を助けて働く。消化液の分泌を促進させて食欲を増進させる。
不足すると乳酸がたまって疲れやすくなる。豚肉、玄米、ウナギ、そば、栗などに含まれる。
ビタミンB2
脂肪を燃やしてエネルギーに換えるときに補酵素として働く。過酸化脂質の分解に作用して脂肪代謝を促進し、コレステロールや中性脂肪を減らす。ウナギ、レバー、カレイ、サバ、牛乳などに含まれる。
ビタミンB6
タンパク質や脂肪の代謝に大きな役割を果たす。そのほか、アトピー性皮層炎の予防をはじめとする抗アレルギー作用も認められている。アジ、サケ、カジキ、フグ、ビーフジャーキーなどに含まれる。
ビタミンc
アスコルビンとも呼ばれる。毛細血管や骨などの結合組織の強化や、鉄分の吸収を促進コラーゲンの生成といった働きがある。そのほか、便秘を解消する効果などもある。
ビオチン
ビタミンの1種・糖質、タンパク質、脂肪の代謝を助け、エネルギーに換える。特に糖質代謝に重要。レバー、大豆、牛乳、卵などに含まれる。
パントテン酸
ビタミンの1種・糖質やタンパク質、脂肪などをエネルギーに換えるのに必要な補酵素の構成成分。コレステロールの調整をし、善玉コレステロールを増やす働きがある。
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