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自分の1RMを計算して最大筋力を使ったトレーニングをする方法

自分のフルパワーを知ろう「いつもよりもきつく」が、トレ—ニングのキーワードになることは、すでに説明しましたが、その「いつも」がどれぐらいの力なのかを、もっと具体的に知らないと、筋力トレーニングは効果的なものになりません。

「いつもより」の「いつも」というのは、そのときに、その筋肉か特っているいちばん大きな力、フルパワーです。トレーニング用語では、「最大筋力」と呼んでいます。あるトレーニング種目、たとえばベンチプレスなどで、1回だけ上げることができる最大の重さです。1回は上げられるが、続けて2回は上げられないという重さです。

自分の各部の筋肉のフルパワー=最大筋力を知るためには、あるトレーニング運動を行ない、そのときにその運動が1回しかできない限界を探す方法が有効です。



最大筋力を使い切ることが大切
筋力のパワーアップをめざすには、ある部分の筋肉のフルパワー=最大筋力を、使いきることがたいせつです。ヘトヘトに疲れきって、何もできないほど、パワーを完全に出しきってしまうのです。

このように、最大筋力を使いきることを、トレーニングの専門用言吾で、「オールアウト=筋肉の完全消耗」と呼んでいます。オールアウトは、理屈のうえでは、最大筋力を発揮すれば1回の運動で行なえるわけですが、現実にはそのようなわけにはいきません。

それは、すでに説明したように、私たちはふだんの生活のなかでは、フルパワー=最大筋力を発揮することができないからです。フルパワーが出せるのは、「火事場」など、命にかかわる危機的な状況のときだけです。重量挙げの選手は、最大筋力を発揮するトレーニングをつみ、危機的状況に近い精神集中を行います。

そこでオールアウトをめざすために、同じトレーニング運動を2セット以上行うのが、常識となっています。
たとえば、ベンチプレスの最大筋力が50キロだったとします。このとき最大筋力の70%は35キロで15回になります。そして、50%なら25キロで25回です。これらの数値を参考にして、オールアウトをめざすのです。

しかし、複数回でオールアウトをめざしても、正しいトレーニングフォームが行なえないなどの現由により、オールアウトできないこともあるので、セット数を2回以上にして、筋肉の完全消耗をめざすのです。
少しくわしくなりますが、2セット以上行なう「セット法」には、次の2種類の方法があります。

①ウェイトリダクションシステム
セットが進むにしたがって、回数は同じで重量を軽くしていく方法です。つまり第1セット目は、ベンチプレスを35キロ15回行ない、第2セット目は30キロに落として15回、第3セット目は25キロ15回などといったぐあいにします。

②ピラミッドシステム
セット数が進むにしたがって、ウェイトを重くし、回数を減らしていく方法です。たとえば1セット目はベンチプレスを35キロ15回行い、2セット目は40キロ10回、3セット45キロ5回などです。



自分の最大筋力「1RM」を知る

1RMを基本に負荷が決められるので、まず「1RMを知る」こと、つまり自分の最大筋力を知ることが不可欠です。

しかし、一般の人が直接最大筋力を測るということはなかなかできません。スポーツ選手なら組織的に筋力測定をしたり、そのような施設が身近にあるので最大筋力を測定するのは比較的容易ですが、一般人の場合そのような計測器も身近かにはないでしょうし、なにより最大筋力を測るということは肉体に限界までの負荷を強いることですのでケガや事故を起こしかねません。また一般の人の場合、ウェイトトレーニングの目的によっては必ずしも最大筋力を必要としない場合もあります。

そこで、一般の方は次のような方法で1RMを推計するのがいいでしょう。
まず、これなら10回反復できるかなと思われる軽めの負荷でエクササイズを繰返します。十分なインターバルをとって何回か試行し、10回以内で反復できなくなる重さを確認し、その反復回数を把握します。10回反復できる重さ、あるいは10回以内でこれしか反復できないという重さがわかったら、その回数を《目安表》にあてはめ100% (1RM)を求めます。

例えば、40kgで8回反復できた(9回は反復できなかった)としたら、8回反復できたということはその重さが1RMの80%に相当するため、
その人の1RM(最大筋力)= 40kg÷0.8=50kg

つまり、その人の1RM(最大筋力=100%)は50kgと推計できます。
このような1RMを推定するための換算表は、過去に多くの種類のものが作成されてきています。換算表は、%も反復回数も細かく設定されているものや、概略的に幅をもたせているものなど種々ありますが、いずれも概略値ですので、それほど神経質にならず、あくまでも目安として利用するのが賢明でしょう。


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