自転車に乗るときに使う筋肉の種類と働き方の解説
筋肉とは
筋肉の種類・特徴を知り効率のよいダイエットをしましょう
脂肪とバイバイするために、筋肉を付けることは重要。筋肉について、少し見てみましょう。
「筋肉を付ける」というと、ボディビルダーのようなカラダを想像しがちですが、筋肉にもいろいろな種類があるのです。瞬発的な動きに長けていても持久力は乏しい速筋繊維。
主なエネルギー源は糖分で、白く、肥大しやすいという特徴をもっています。一方、持久力に富んでいる遅筋繊維には、赤く、筋肉中に酸素を取り込んで運動するため、脂肪を燃焼しやすいという特徴があります。
筋肉はこのふたつの繊維が混ざり合ってできているのです。速筋の割合が高いほど、大きな力が出せるようになっており、負荷を上げて行くと、使用される筋肉は遅筋から速筋へとシフトしていきます。
筋肥大とは?
誰でも、筋肉は付いていますが、加齢や使用されないことを原因に筋肉は衰え、萎縮して行きます。逆に、トレーニングによる機械的刺激を与えると、使われた筋肉を構成する筋原繊維・筋繊維が増殖、肥大し、太く発達していきます。
さらに分泌された乳酸などをシグナルに、成長ホルモンや成長因子が分泌され、筋肥大につながる反応を引き起こします。大きな負荷がかかり、筋繊維が損傷すると、そこを起点に、のちに新しい筋繊維となる筋管が生成されたり、断裂したところから分岐し、新しい筋繊維が成長したり、というプロセスを経て、運動量に合わせて筋断面積は増えていくのです。
筋肉量=運動能力ではないことも一般には筋肉が太いほど、パワーがあるといえますが、これはどのケースにも当てはまるとはいえません。
あまりに筋肉が肥大しすぎると、血流やシグナルの神経伝達を妨げるといった弊害が生じ、かえってパワーが落ちてしまうことがあります。ボディービルダーのような「見せる」筋肉と、重量挙げなどの「仕事をする」筋肉では、筋肉の目的が異なるのです。
反復運動がやっと1回できる負荷を100%とすると、この80%程度の運動で、筋肥大と筋力の向上が起こり、60%以下程度の負荷でおこなうと、筋持久力が向上するそうです。スラッとしたボディを目指すのであれば、大きな筋肥大を起こさない負荷にとどめておきましょう。
ちなみに、80%以上の負荷をかけると、筋肥大を起こさずに筋力がアップするそうですが、ちょっと厳しそうですね。
さらに、関節を大きく使うため、シェイプアップに効果的。
では、どこを使うのか、詳しく見てみましょう。
僧帽筋
特にロードでは、頭を持ち上げ、前方を見る際に使う。ここが疲れる人は、余分な力の入り過ぎか、セッティングの再考が必要かも。
脊柱起立筋
腹筋とともに、不安定な自転車の上でバランスを取り、上半身をキープするために不可欠。基礎代謝アップの鍵ともなる筋肉。
腸腰筋
背骨や骨盤と脚の付け根を結ぶ、内側の筋肉群。いわゆるインナーマッスルのひとつ。太ももを引き上げる際に動員される。
大臀筋
股関節を伸ばす運動と脚の前後運動を担当。ヒップアップには欠かせない。ペダリングの後半では脚を前方に持ってくる。
ハムストリングス
大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の総称。太ももの裏を引き締めたい人には最重要。股関節を開く。踏み込み~脚の後上部へのかき上げ。
自転車がカラダにいい理由
ペダリングの際、メインで使うのは太もも。大腿四頭筋ら前部の筋肉を使いますが、気になる太ももの裏側のハムストリングスや、ヒップの筋肉である大臀筋なども使います。
一番上を0度、ヒザが一番伸びる最下部の下死点を180度とすると、前方の半円が、踏み込みにより、もっとも大きく前に進むパワーを生み出す局面です。最下点である180度からは、ヒザを曲げ、後上部にかき上げる動作に移行し、脚がもっとも折り畳まれる最上点に向かいます。
足、ヒザ下、太もも、お尻の筋肉が動員され、反対側の脚と協調し、前に進むパワーを生み出します。
特にロードは、膝関節、股関節を大きく動かし、多くの筋肉を動員、負担を分散させます。上半身の筋肉も使うため、バランスのよいプロポーション作りに効果的なのです。
上腕二頭筋・三頭筋
カラダを支えたり、坂道など、力の要る踏み込みのシーンで、ハンドルを押し引きする。
広背筋
ハンドルをキープしたり、引きつけるのに必要。どんなシーンでも力を生み出せる安定した乗車姿勢のために必要。
大腿四頭筋
大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋の総称。全身の中で、最大、最強の筋肉群。膝の伸展に関わる。ペダリングに重要。
緋腹筋
足首を蹴りだす方向に機能、90~180度の局面でピークに達するが、この後の後上部に向けてのかき上げにも機能する。
前理骨筋
ウォーキングなどではなかなか使えないが、ペダリングの間、足首の角度をキープするために、ほぼずっと使用されている。