ギア比は自転車の特徴で違うのでロードバイクとMTBで比較してみよう
ギア比の基礎自転車の変速は、MTBやクロスパイクなら24(3×8)または27(3×9)段、ロードバイクなら20(2×10)または30(3×10)段あたりが標準的です。スポーツ・自転車を知らない人は、この変速段数の多さに必ず驚きますね。ただし変速段数が多いことと、ギア比が広いということは同義ではないのです。
ギア比とは、クランク(ペダル)が1回転した時に、カセットスプロケット(リアホイール)が何回転するかを表すものです。ギア比1ならクランクが1回転すれば、カセットスプロケット、つまりホイールも1回転。ギア比4ならホイールが4回転、つまり1回転でたくさん走れるってことです。たくさん走れる=速い。
ただし、ペダルを踏む力をより大きく必要とします。簡単にいえば「ペダルが重い」ってことですね。ギア比の数字が大きいほどペダルが重い。小さいほど軽い。で、ペダルの踏みごたえ、その幅が広いとワイドレシオってことですね。逆に同じ変速段数でもギア比の幅が狭いというのはメリットがあるのか。
ギア比が広いほうがお得感がありますが、段数は同じならギア比が広いほどギア同士の隙間が広がります。すると微妙にペダルが重かったり軽かったりして、具合が良くない。広ければイイわけではないんです。
ロードバイクとMTBのギア比を比較してみましょう。
特徴的なのは、ロードバイクは高速向けにギア比が重く、MTBは低速にも対応できるよう軽いギア比を持っています。同時にロードバイクはクロスレシオでもあります。クロスレシオとは、一段一段のギア比が接近していること。一段変速しても大きな変化はないんです。変化が小さいなら、ワイドなほうがお得だと思うでしょう。
でも自転車の動力は人間です。なるべくならクランクの回転数(ケイデンス)を一定に保つほうが疲れは少ない。回転数を高めれば心肺機能に、回転数を下げれば筋肉に余計な負担をかけます。なるべく一定にくるくる回すペダリングが基本です。
ロードバイクは、体力の消耗や走行抵抗(風や勾配など)の微妙な変化に対応できるように、クロスレシオにしています。微妙にペダルが重かったり軽かったりという、効率の悪い部分を狭めています。変速は比較的頻繁にするけど、ムダがない。
MTBも事情は基本的に同じ。ただし、急勾配の上りもあったりする。
勾配や路面の状態の変化も激しい。
だからギア比の幅を広くしてあるのです。それにしてもギア比が重なっている部分が多いものですね。でもこれ、ムタじゃないんですよ。
MTBなら27段もありますが、ギア比だけで考えると実際は半分の14段程度でカバーできます。そこにムダがムダじゃない理由があります
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