フィッテイングオーダーシステムでライダーに合ったポジションを知ろう
フィッテイングオーダーシステム(ロードバイク)
SRMシステムのデータをもとに勝てる、走れる熟練の技術が生み出すシステムの全貌を探る!
イイと感じていたポジションが、実は余り効率的でなかったりすることはよくある。ベストポジションの判断基準の1つは、ライダー自身の出力が、どのポジションで最大になるかを見極めることだ。
SRMを使うと、ワット数で明快に運動効率を教えてくれる。「何となく」が数字となってはじき出されるのは自分自身を納得させる大きな材料になる。また、ペース配分に関しても心拍の上下とは別に、運動量から数字化できる事がこの機械の素晴らしいところでもある。
SRMは不確かなポジションに対して、ライダーのパフォーマンスから精度を高めていくシステムなのである。また、長距離にわたり秒単位で測定結果が数値化されるので、ポジションはもちろん、ギヤの歯数など、ライティングに関するトータルフィッティングを可能にする。
他人の目で見つめ直せるとい点で多くのユーザーから高い評価を得ているシステムだ。仮想ポジションだけでなく、仮想ライティングまで行えるSRM は、ベストフィッティングへの近道となる。
ロードバイクをオーダーするとなると、プロレーサーのミリ単位の繊細なオーダーを想像してしまう。「レースでは毎日ポジションが変わることも珍しくないですよ」と、トップライダーでさえも、たとえ数値上で同じサドル高でも、サドルの位置が低く感じたり高く感じたりするのだそうだ。そう言われるとオーダーの基準が分からなくなってしまいかねない。
だが、そのあいまいさには根拠もある。ライダーの経験値は乗れば上がるのだし、理論上の性能もすべてライダー自身がどれだけ引き出せるかによる。
多くの自転車は、性能そのものよりも見た目のよさや、軽いというカタログ上のデータだけで選ばれる傾向にある。でも走ってみると、その所有欲とはうらはらに、性能が伴っていなければ自転車の機能を満たしてくれない。そこで現在ある既製品をたたき台にして改良すべきポイントを探り、オーダーフレームの門を叩いてみる。
「小さな工房は性能第1主義です」確かに性能はブランドでは計れない。走ってみて、どうしてもベストポジションに近づけない人が、オーダーフレームの門を叩くのだ。もちろんそんなベテランだけがオーダーを求めているわけではない。ビギナーも最初の一台からきちんとしたものを作りたいという願望がある。
オーダーはベストフィッティングへの最短ルートである。
フィッテイングオーダーシステム(MTB)
自転車の上で自由に動けてこそマウンテンバイクは自分にフィットするMTBでは常に、ライダーは自転車とのー体感を求められる。
MTBのオーダーについては国内に「ビルダー」と呼ばれるフレーム作りの職人が少なく、それほど注目されてこなかった。しかし、必ず体にフィットするオーダーフレームはもちろん存在している。最近では特に、既製品のサイズをも少し変更した自転車を使いたいというユーザーを中心に広がりを見せている。
MTBがロードバイクともっとも違うのは、同じサイズのフレームでも遊び方でフレームの各部分のサイズが変わってしまうこと。つまり、フレームサイズの決定には、自転車本体に対して前後上下の動きを加えて考えることが大きな要因となる。
最初からオーダーを選ぶ人がロードバイクなどに比べて少ないのはそのためである。何度も何度もあらゆる場面で乗ってみないと、その善し悪しやフィッティングが分からないのである。
20年前はまだMTBはアメリカ人が自分の体格に合わせて設計したものだけだった。なので日本人のサイズにまったく合わないものも数多く輸入されていた。
その当時から国内にはMTBのオーダーフレームは存在している。体にあったMTBを作るために、オーダーフレームは今以上に必要とされていたのである。
時代は変わって現在、各メーカーは世界的なMTBの普及を受け、国内外ブランドを問わず、サイズやカテゴリーの細分化が進み、オーダーフレームの役割は遊び方に対するベストフィッティングの意味合いを濃くしている。特に乗り味などの面でまだ進化の余地もあるスチール素材などはメーカーのコストに見合うものではなくなっているので、オーダーフレームの1つの方向性ともなっている。
ロードバイクは良好な路面を基本フォームを作りながら走れるため、公式に基づいた「フィッティング」が自転車サイズ決定の大きな要因になる。一方、動的要素も多いMTBではあくまでも遊び方をイメージすることが重要になる。つまりトレイルライドを想定した自転車作りが基本になる。では実際にオーダーする際に気をつけたいのは何だろうか。
一番人事なのは現在の自転車に対するインプレッションを持つこと。上り下りでのささいなアクションに対する不満があれば、それをデータとして残しておきたい。サスペンションのセッティングも難しく考えるより乗っていろいろ試してみることから始まる。フレーム選びも同じ。乗る場面を想定することが大切なのだ。さて、MTBのオーダーフレームの魅力とは何だろうか。
モンキーが長らく採用しているトップチューブの「ベンド(曲がり)」はデザイン的にも評価されており、多くのライダー、憧れのオーダーフレームの1つ。応力角を経て製品化されたフレームは性能も併せ持っている。それはフレームデザインも1つにあげられると思う。
ロードバイクが長年培ってきたあのダイヤモンド型を基本にしたデザインを、良くも悪くも打ち破り続けているのがMTBなのだ。もちろん理想形でもあるあの形をここで否定するつもりはない。でもどこかしらに創造という作業を見い出すにはデザインの変化を試みることも一つではないだろうか。もともとMTBにはライダーの重心移動が遊びの原点になっているスポーツ。新しい発想によるデザインが施されたオーダーフレームにも価値を見い出して欲しい。