柔軟性がないとスポーツは上達しないし故障の原因になる!
カラダを鍛えたいけどどんなトレーニングをすればいいのかな。
まずは全身の総チェック。柔軟性を自己診断してもらいたい。自分のカラダの状態を正しく把握すれば、効率よくトレーニングすることができるからだ。
誰にでも利き手、利き足があるように、肩、背中、胸にも力を入れやすい側がある。それを認識せずにトレーニングすると、力を入れやすい側はどんどん筋肉が強くなるが、弱い側はいつまでたっても弱いままということになり、全身の筋肉のバランスが悪くなってしまう。
また、自分の柔軟性を認識せずにトレーニングをすると関節を痛める可能性がある。「ここまで曲げなければ効果がない」などと他人に言われたのを鵜呑みにして、反動をつけて無理やり関節を曲げたり伸ばしたりすれば、効果どころか関節を痛めることになりかねない。
自分が気になるところ、鍛えたい、引き締めたいと思う部分は、自分がよく目にする部分に限られる。たとえば、前から見て「二の腕がたるんでいる」と思い、鍛えてみるが、思ったように二の腕が引き締まらない。
この場合、実は腕の前面ではなく、裏の部分の筋肉を鍛えなければいけないのである。また、腹筋を鍛えるトレーニングをしたその結果、思い通りに腹筋はついても、背中に肉がついていたり、おしりが垂れていては美しいボディとは言えない。
腹筋だけを鍛えてもほかの筋肉が弱いと、せっかくついた筋肉を支えられず、すぐまた元の状態に戻ってしまう。引き締まったボディを長く維持するためには、トータルバランスが大切なのだ。
自分のカラダを正しく認識することが、理想のボディを手に入れるための第一歩。
柔軟性チェック
肩、体幹部、もも、股関節の柔軟性をチェックする。柔軟性がないと、あらゆるスポーツは上達しないし、日常生活でも、肩こり、腰痛などの弊害がでてくる。自分の限界を知り、徐々にトレーニングすることで、無理せず少しずつ柔軟性をアップしていこう。
肩の柔軟性
あお向けに寝てひざを曲げ、両手を上に。ひじを伸ばし二の腕を耳たぶに近づけ、両手を伸ばしたまま床に下ろす。ひじを伸ばしたまま、床につけられれば合格。床につかなくても、二の腕が耳たぶに被っていればよい。
ひじは真っすぐ伸ばして曲げないこと。二の腕をできるだけ耳たぶから離さないこと。
肩の柔軟性がないと、腕を上にして床につけることがまったくできない。
またひじを曲げたり、腕を広げたりしないと床につけることができない。
このままでは、慢性的な肩こりや四十肩、五十肩になりやすい。
体幹部の柔軟性
うつ伏せに寝て、両手を前につき、ひじを伸ばしながら上体を持ち上げる。骨盤を床につけたまま、上体をどこまで持ち上げられるかチェックする。骨盤を浮かせず、胸を上げられれば合格。
首を反らせず、頭のてっぺんから上体を真っすぐにし、へそから折り曲けるように胸を上げる。あまり持ち上げる必要はないが、首だけ、胸だけを反らせないように注意。
男性は、ひじを伸ばした状態で上体を持ち上げるのは難しいので、ひじを曲げてもOK・骨盤を浮かせずにひじを90度に曲げられれば合格。
体幹部の柔軟性がないと、カラダが棒のようになっていて、胸だけを上げることができずにお腹全体が上がってしまう。このような体幹部の柔軟性がない状態で、下半身や背中のトレーニングをすると腰を痛めてしまう。
ももの柔軟性
あお向けに寝て、片足ずつ、ひざを伸ばして上げる。ももの筋力だけでゆっくりと、どこまで上がるかチェックする。床から垂直になるまで足を上げることができれば合格。ただし、足が垂直に上がっても、下に伸ばしている足のひざが曲がっていてはよくない。
ももの柔軟性がないため、足が垂直に上がらず、途中で止まってしまうタイプ。
左右の足で柔軟性が違うので、必ず両足ともチェックしてみよう。このままでは、腰やひざを痛め、下半身全体が弱くなる。
股関節の柔軟性
あお向けに寝て、右足を両手で抱え、真っすぐ右胸に引き寄せる。伸ばしている左足のかかとが浮いたり、ひざが曲がったりしないように。
ももとお腹がつけられれば合格。左も同様にチェックしよう。
股関節の柔軟性がないと、下に伸ばしている足のひざを曲げなければ反対の足を引き寄せることができない。また、足を真っすぐ引き寄せられない人も多い。これができない人は、骨盤がゆがんでいる場合が多い。このままでは腰を痛め、歩行障害も引き起こしかねない。